ENNIE賞受賞のTRPGソースブック作家でもある1人開発者Alp Arslanが、サイバーパンクハッキングテキストRPG『Radiotext(ラジオテキスト)』を9月30日にSteamで正式リリースする。2月のデモ公開以来、新キャラクター追加・非同期マルチプレイ・モッディング対応・Steam Next Fest参加と継続的にアップデートを重ねてきた。現在無料デモ配信中だ。
路地裏で受け取った謎のUSBが、忘れられたネットワークへの入口だった
1990年代に構築された古い無線通信網が舞台だ。路地で見知らぬ人物から手渡された謎のUSBをきっかけに、プレイヤーはこの忘れられたネットワークへと足を踏み入れる。
ネットワークに残留するユーザーたちは多彩だ。穏やかな者から破壊的な者、すでに死亡した存在まで様々なキャラクターと対話を重ねながら、大企業に対して蜂起を企てていたサイバー活動家たちの行方を追うのが本作の中心的な役割だ。
誰が嘘をついているか——信頼と疑惑が分岐を生む
廃棄されたチャンネルを漂い歩きながら出会う人物たちは、それぞれプレイヤーに自分の側につくよう働きかける。嘘をつく者、情報を漏らしすぎる者、ネットワーク内に潜むスパイの存在——どの対話を選び、誰を信頼するかによって物語は多彩に分岐する。
プレイヤーの選択がネットワーク全体を揺るがす蝶の羽ばたきになる、という設計だ。
「3Dに見えて2D」——容量200MBで4K環境に対応する独自最適化
本作の技術的な面でも注目点がある。3Dのように見えるリアルな環境を実際には2D技術で実現しており、4K解像度環境でもゲーム容量とRAM・VRAM占有率を約200MBに抑えることができた。軽快な動作環境を保ちながら本作独自の雰囲気を体現した設計だ。
モッディングも主要な特徴で、デモと正式版の両方にモッディングガイドが提供される。プレイヤーは自分だけのストーリー・NPC・パズルを制作できる。
非同期マルチプレイ要素も実装されており、他のプレイヤーが残したメッセージがゲーム内NPCのメッセージと混ざり自然に登場する。ゲーム内にはX(旧Twitter)を思わせるソーシャルメディアプラットフォームも実装されており、探索中に他プレイヤーのメッセージが混じり込む仕掛けだ。
レトロターミナルUI×タイピングメカニクス×非同期マルチが融合する90年代感性
レトロ感覚のターミナルインターフェース、タイピングメカニク、当時の通信環境を思わせるサウンドエフェクトが1990年代の感性を体現。色やノード配置まで自由に設定できるカスタマイズUIも用意されている。メインストーリークリア後もネットワーク自体は開いたまま自由に探索できる。
編集部コメント
「1990年代の忘れられた無線通信網」という設定は、サイバーパンクというジャンルが通常扱う近未来の高度情報社会とは逆方向の——デジタル黎明期の素朴で断絶した通信世界への郷愁として機能している。誰が嘘をついているかわからないという緊張感は、チャットベースの対話という形式と不思議なほど相性がいい。
「3Dに見えて2D・容量200MB」という技術的な選択は、単なる最適化の話ではなく、ゲームの雰囲気作りへのこだわりとして読める。ENNIE賞受賞のTRPG作家という経歴が、ナラティブへの信頼の根拠として機能している。3〜4時間という短くも密度の高い体験を志向する本作が、9月30日のリリースでどう評価されるか注目したい。
「Radiotext(ラジオテキスト)」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Alp Arslan(1人開発) |
| パブリッシャー | Alp Arslan |
| ジャンル | インタラクティブフィクション、ハッキングシミュレーション、サイバーパンク、テキストベースのRPG |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 人員 | シングルプレイヤー(非同期マルチプレイヤー要素を含む) |
| 発売日 | 2026年9月30日(無料デモ現在公開中) |
| プレイタイム | 約3~4時間(完結型ストーリー、以後自由探検可能) |
| 反応/評価 | 正式なレビューなし(リリース前)、デモと海外メディアの反応が肯定的 |
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