韓国のUnnamed Moon Inc.(언네임드문 주식회사、代表:キム・ジュユン)が、百合ビジュアルノベル『春の音はまるで君に似てて(봄의 소리는 마치 너와 닮아서)』を10月8日にNintendo Switch、iOS、Androidでリリースすると発表した。
本作は2024年11月にSteamで発売された作品を、Unityで全面再構築したバージョンだ。新規外伝『冬の色はまるで君に似てて(겨울의 색은 마치 너와 닮아서)』も併せて収録される。
Nintendo eShopではゲームページが公開され、App Storeでは予約注文、Google Playでは事前登録を受け付けている。Switch版にはゲーム内で鑑賞できるアートブックとサウンドトラックが含まれる。
韓国語と日本語で自ら書いた百合の物語
主人公のアイハラ・アイリは、暗い夜に道を見失ったような時間を過ごすなか、アオイの歌声を偶然耳にする。その歌に導かれたアイリとアオイの出会いから、二人の物語が始まる。
ゲームは日本の女学校を舞台に、二人の少女が互いを通じて進むべき道を見つけていく成長と愛を描いた。春から冬まで四季が巡る1年間に、二人が出会い、互いを知り、愛に至る過程が収められている。
プレイ時間は約2時間。物語は分岐のない単一ルートで構成されており、一息に最後まで鑑賞できると開発社は説明している。シナリオは作家が韓国語と日本語で直接執筆した。どちらの言語も翻訳文ではなく原文で物語を楽しめる。

アカギ・アカリの過去を描く新規外伝
新たに収録される外伝『冬の色はまるで君に似てて』は、本編に登場するアカギ・アカリの過去を扱う。本編と対をなすタイトルが示すとおり、冬を舞台に物語が展開する。
外伝はSwitch、iOS、Android版に標準で含まれる。SteamとSTOVE版は、発売日に既存の購入者を対象に無料アップデートで提供される予定だ。
Unityで再構築、Switch版はアートブックとサウンドトラック付き
今回のバージョンはゲームエンジンをUnityに移し、UIを新たに設計した。テキストと翻訳を磨き直し、既存ユーザーが感じていた不便も改善した。Nintendo Switch版はタッチ操作と携帯モードに対応している。
Switch版は、アートブックとサウンドトラックをゲーム内で閲覧・試聴できるデラックス構成で販売される。iOSとAndroid版は、本編を購入したうえで追加コンテンツ「デラックスエディション」を別途購入すると、同じ内容を利用できる。


Steam好評97%、次回作はサイバーパンクビジュアルノベル
Unnamed Moonは、Steam版が2024年11月の発売以来、好評率97%を記録したと明かしている。この数値は開発社が提供した情報だ。
Unnamed Moonは京畿道九里市に本社を置く5人規模のスタジオで、2024年に設立された。「物語を世界観に、世界観をゲームに」を掲げ、韓国語と日本語で執筆するサブカルチャー系ナラティブゲームを制作している。現在はサイバーパンクビジュアルノベル『Trauma Record』を開発中だ。
編集部コメント
日本の女学校を舞台にした百合作品を、韓国のスタジオが日本語の「原文」で書き下ろしたという点は、日本のプレイヤーにとって特に注目に値する。翻訳を経ない日本語テキストで、日本の学園を舞台にした物語を韓国のクリエイターが紡ぐという構図は、K-インディーとサブカルチャー文化の接点が、もはや一方通行ではなくなっていることを示している。
約2時間・分岐なし・全年齢という設計は、百合というジャンルの入口として手に取りやすい。Steamで一度発売された作品を、エンジンを入れ替えて外伝を足し、Switchとモバイルへ展開するという段階的な広げ方も堅実だ。Steam版の好評率97%は開発社提供の数値である点に留意しつつ、10月8日のコンソール・モバイル展開に注目したい。
