独立スタジオOveredge Gamesが、1976年ソ連極東の孤立した炭鉱村を舞台にした1人称ナラティブ・イマーシブシミュレーション『Selsoviet(セルソビエト)』のSteamページを公開した。正式リリース日は未定で、デモも今後公開予定。実際の歴史的事件をモチーフにした世界観と12種のエンディング、物資欠乏の中での道徳的ジレンマが本作の核心だ。
1971年の炭鉱事故で忘れられた村——1976年の「ヘロタ」で商店を営む母親として
架空の炭鉱村「ヘロタ(Herota)」は1947年にハバロフスク地方に設立された。1971年に炭鉱事故が発生して多数の死傷者が出たが、当局は責任を「労働者の不注意」に転嫁。次の5カ年計画からも外れ、国家の関心から切り捨てられた。1976年の時点でヘロタには約2,000人の住民が残るのみだ。
プレイヤーは幼い子ども2人の母親「リザ(Elizaveta Gulyaeva)」として、この孤立した村で小さな商店を営む。深刻な物資不足に直面する中、限られた食料をどの住民に分配するかを毎日決め続けなければならない。
問題はそれだけではない。リザの子どもたちは腸チフスを患っているが、最寄りの病院があるコムソモリスクナアムーレまでは遠く、まともな治療を受ける術がない。家族を守るために、商店運営の過程でどこまで道徳的信念を曲げるか——これが本作が投げかける中心的な問いだ。
パンから密造酒まで自ら生産し、配給クーポンの真偽を見極める
商店は単なる背景ではない。プレイヤーは店内の各種設備と直接インタラクションしながら、パンからサモゴン(Samogon)と呼ばれる家庭製密造酒まで必要な物資を自ら生産できる。
販売の過程でも緊張が続く。購入者の配給クーポンを検証し、身分証を確認し、偽造書類を見抜かなければならない。一枚の誤ったクーポンを通過させるだけで深刻な結果を招きかねない。1970年代ソ連の実際のラジオ放送を再現したサウンド、当時のレジスターや計算機なども実装されており、時代への没入感を高めている。
固有の事情を持つNPC×12エンディング——選択が積み重なって結末を変える
ゲームには各自の事情を抱えたNPCたちが登場し、プレイヤーの選択によって物語が変化する12種のエンディングが用意されている。序盤に下した決断が後の状況に連鎖的に影響する設計で、選択の重みをゲームプレイ全体に通わせている。
プレイタイムは選択によって約4時間から最大50時間まで幅があり、複数のエンディングを探索する動機も十分に用意されている。
「生存があなたをどんな人間にするかを決めろ」——開発陣のメッセージ
Overedge Gamesは本作の主要テーマを「絶望の中でもつながり続ける人間的な温かさ」と定義している。世界の無関心と過酷な選択、衰退する絶望的な状況の中でも最後まで続く人間関係と温もりが作品全体を貫くと説明する。
「生存があなたをどんな人間にするかを決めろ」という開発陣のメッセージは、本作がサバイバルゲームの皮を纏いながら本質的には倫理と人間性を問う作品であることを端的に示している。
編集部コメント
「誰にパンを渡すか」という問いは、『Papers, Please』が「誰の入国を許可するか」という問いで実現した設計の変奏として読める。しかし本作が際立つのは、それが国家権力の代行者としてではなく、子どもを抱えたひとりの母親の視点から問われている点だ。道徳的ジレンマの主体が「体制の末端担当者」ではなく「個人と家族の生存を守ろうとする母親」であることで、選択の重さの種類が変わる。
炭鉱事故の責任転嫁・5カ年計画からの除外という実際の歴史的文脈を架空の村に重ねる手法は、作品に虚構を超えた重みを与えている。デモ公開と正式リリース日の発表を待ちたい。
‘セルソビエト(Selsoviet) ‘関連情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Overedge Games |
| パブリッシャー | Overedge Games |
| ジャンル | 物語のイマーシブシミュレーション |
| モード | シングルプレイ |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 背景 | ソ連極東、1976年 |
| エンディング | 12個 |
| プレイタイム | 4〜50時間(選択により異なります) |
| 体験版 | 今後公開予定 |
| 発売日 | 未定 |
| 言語 | 英語、日本語、ロシア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、ポーランド語、ポルトガル語 |
| 反応/評価 | 発表の初期段階で正式レビューなし |
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