ラテンアメリカの1人開発者Anoftが数年をかけて開発中の物理ベース協力強盗シミュレーター『Loot List: Thief Sim(ルートリスト: シーフシム)』のプレイアブルデモがSteam Next Festを通じて公開された。毎ミッションごとに動的生成される「ルートリスト(盗品リスト)」を軸に、精密な潜入プレイと予測不可能なサンドボックスの混沌を組み合わせた本作は、金塊のような貴重品からバナナの皮やゴム製のアヒルといった奇妙な標的まで盗み出すというユニークな設定で注目を集めている。デモ公開後、Steamウィッシュリスト上位に名乗りを上げており、リリース前から期待作として浮上している。
毎回変わる「ルートリスト」が作戦を決める——予測不能な強盗の設計
プレイヤーはスリ師レベルの駆け出し犯罪者からスタートし、経験を積みながら伝説の泥棒へと成長していく。舞台はうらぶれたロードサイドダイナーから厳重警戒の銀行、正体不明の政府施設「Area 67」まで多岐にわたる。そして毎回新たに生成されるルートリストがミッションの目標を決定する。
ルートリストは単なる収集リストを超え、プレイスタイルそのものを変える核心システムだ。あるミッションは綿密な計画と隠密な潜入を要求するが、別のミッションは現場の突発的な状況や依頼人の突拍子もない要求によってまったく異なる展開を見せる。
幽霊屋敷で壊れたトースターが火事を引き起こすこともあれば、仮面をつけた依頼人からゴム製アヒルを盗んでほしいと頼まれることも。あるいはクラシックな強盗映画を思わせるギアを駆使して下水道を移動し、カジノの金庫に潜入する——そんな多彩な状況が次々と展開される。
物理エンジンが生む混沌——潜入か、破壊か、すべてはプレイヤーの選択
本作最大の特徴は物理ベースのインタラクションだ。ゴミの山を積み上げて高所へ登る、セキュリティシステムをハッキングして静かに潜入する、あるいは爆発物で正面突破を図る——あらゆるアプローチがプレイヤーの判断に委ねられている。
ソロプレイに加え、最大4人のオンライン協力プレイにも対応。メンバーが増えるほど予期せぬ変数が生まれ、よりダイナミックな展開が生じる。ミッションで獲得した戦利品は売却して新たな装備を購入したり、アジトのアップグレードに充てることができる。アジトはさまざまなNPCと成長要素を通じて、やがて犯罪組織の拠点へと発展していく。
Unreal Engine 5が描く没入感の高い犯罪現場
本作はUnreal Engine 5を基盤に開発されている。薄暗い照明の銀行の金庫室、埃をかぶったロードサイドダイナー、謎めいた政府施設「Area 67」——各マップはそれぞれ異なる雰囲気と個性を持つ。物理エンジンが適用された環境オブジェクトがリアルタイムで反応し、背景が単なる装飾ではなく戦略的な道具や変数として機能する。
映画的な強盗の緊張感とサンドボックス特有のコミカルな混沌が自然に共存するこの設計が、本作の独特な雰囲気を完成させている。
数年をかけた1人開発の結晶——コミュニティとともに磨く
Anoftは『Loot List』を数年にわたって開発してきた1人の独立開発者だ。プレイヤーの自由な選択、没入感のあるサンドボックスプレイ、そして毎回異なる状況が生まれる予測不可能性——この三つが開発の核心目標として一貫して掲げられてきた。
Steamパブリッシャーページによれば、Anoftは『Loot List』のほかにもカラフルな一人称プラットフォーマー『Reflection』とストーリー重視のアドベンチャーゲームを並行開発中だ。また、Discordを通じてプレイテストを直接運営し、コミュニティの意見を積極的に開発へ反映するなど、プレイヤーとの対話を開発プロセスの重要な柱に据えている。
デモ後の反応と課題
デモ公開後、Virus.hrは「金塊はもちろん、バナナの皮やゴム製アヒルまで盗まなければならない多彩なターゲットが印象的」と評価。WorthPlayingはSteamアーリーアクセス期待作に選出し、最大4人の協力プレイと多彩なマップ構成を主要な強みとして挙げた。
本作はラテンアメリカ向け「Latin America Game Showcase: Summer Game Fest 2026 Edition」でもトレーラーが紹介されており、地域を超えた注目を集めている。
一方、Steamコミュニティではデモ版のルートリスト収集システムに一部バグが確認されているとのフィードバックも届いている。開発チームはユーザーの意見を積極的に収集しながら継続的な改善を進める方針だ。
編集部コメント
「何を盗むかがその都度変わる」という動的ルートリストの設計は、ミッションごとのリプレイ価値を高める上で理に適ったアプローチだ。バナナの皮やゴム製アヒルといった奇妙なターゲットの存在は笑いの要素であると同時に、毎回のミッションに意外性を持ち込む設計上の必然でもある。
Unreal Engine 5の物理エンジンを1人開発で扱うのは相当なチャレンジだが、デモの時点でウィッシュリスト上位に入った事実は、コンセプトの訴求力の高さを示している。アーリーアクセス段階でバグの修正とコンテンツの充実がどこまで進むかが評価を左右するが、4人協力でのカオスなセッションを楽しみたい層には今のうちからウィッシュリスト登録を勧めたい一本だ。
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Anoft(1人独立開発者) |
| ジャンル | イマーシブシム/ハイストシミュレーション/サンドボックス |
| リリースプラットフォーム | PC(スチーム、アーリーアクセス予定) |
| プレイ人数 | シングルプレイ/オンライン協同(2~4人) |
| ゲームエンジン | Unreal Engine 5 |
| リリーススケジュール | 未定(TBA) |
| コアシステム | 動的ルートリスト、物理ベースの相互作用、隠れ家のアップグレード、キャラクターの成長 |
| 公式チャンネル | ディスコード・開発者ウェブサイト(anoft.com)・ゲーム公式サイト(thiefsimulator.com) |
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