本誌が8月24日に発表記事を報じたトルコの1人開発者アルプ・アルスラン(Alp Arslan)による1990年代通信網を舞台にしたサイバーパンクハッキングテキストRPG『Radiotext(ラジオテキスト)』が、Steam「プログラミングフェスト」参加を記念して主要キャラクターとデザインノートを新たに公開した。あわせて正式リリース日を従来の9月30日から2日繰り上げ、9月28日に調整したと発表した。ただし記事執筆時点でSteamストアページには依然として9月30日と表示されており、実際の発売日は今後のページ更新を通じて確認する必要がある。
USBひとつから始まる物語——忘れられたチャンネルに残る5人の存在
『Radiotext』は静かな路地裏で見知らぬ人物からUSBメモリを手渡される場面から物語が始まる。そこには長らく放置された1990年代式通信網「Radiotext」が収められており、プレイヤーは新米ハッカーとなって忘れられたチャンネルを探索していく。
チャンネル各所にはそれぞれの事情を抱えた存在が残されている。彼らと対話を重ねて通信網に隠された物語を掘り起こす過程で、大企業権力に立ち向かうサイバー活動家グループ「シンジケート(The Syndicate)」の蜂起にも巻き込まれていく。
今回の公開では、シンジケートを率いるリーダー「スカイ(Sky)」をはじめ、伝説的な実力を持つ独立ハッカー「クローム(Chrome)」、噂を売買する情報屋「ルーマー(RumoR)」、ハードドライブの中で意識体として生きる死んだ科学者「ラジオマン(Radioman)」、そしてシンジケートの技術担当を務める腹心キャラクターの計5人の主要人物が紹介された。
各キャラクターはそれぞれ異なる背景と目的を持ち、プレイヤーの対話と選択によって関係性が変化する。信頼を築くこともできるが状況次第では裏切りにつながることもあり、人物との対話を中心に物語が多方向へ展開していく見込みだ。
見た目は3D、実際は2Dエンジン——容量約200MBの軽量設計
『Radiotext』は見た目こそ3Dグラフィックスのように見えるが、実際には2Dエンジンをベースに制作されている。開発者はこれにより4K解像度と写実的な環境表現を維持しながらも、ゲーム容量とRAM・VRAM使用量を約200MB水準に抑えたと説明している。
レトロ調のターミナルインターフェースとタイピング方式のゲームプレイ、それに合わせたサウンドエフェクトも作品の核心的な雰囲気を形成している。画面の色とノード配置を自由に変更できるため、プレイヤーの好みに合わせてインターフェースをカスタマイズすることも可能だ。
1人開発で完成させるモッディング対応RPG
開発者アルプ・アルスランはテーブルトップRPGソースブック「Historica Arcanum: Serenade for the Damned」でシルバーENNIE賞「Best Adventure – Long Form」部門を受賞した経歴を持つ。
『Radiotext』は約9ヶ月間1人開発で制作してきた初の大型プロジェクトだ。Steamページ基準で開発・パブリッシングともにアルプ・アルスランが直接担当している。
特にモッディングをゲームの主要要素のひとつとして掲げている。デモと正式版の両方でモッディングガイドを提供し、プレイヤーが自らストーリー・NPC・パズルなどを制作できるよう支援する予定だ。
他のプレイヤーと間接的につながる非同期マルチプレイシステムも用意されている。『ダークソウル』や『デス・ストランディング』の非同期要素からインスパイアされたシステムで、X(旧Twitter)に似たゲーム内SNSプラットフォームを通じて他のプレイヤーのメッセージとNPCのメッセージが一緒に登場する。
デモの継続アップデートを経て9月末の正式リリースへ
『Radiotext』は2026年2月にSteamデモを初公開して以来、継続的なアップデートを重ねてきた。5月には非同期マルチプレイとモッディング対応機能が追加された。
今回のSteamプログラミングフェスト参加とともに、正式リリース日も従来より2日繰り上げた9月28日に調整したと発表された。ただし記事作成時点でSteamストアページには依然として9月30日と表示されており、実際の発売日は今後のページ更新を通じて確認する必要がある。
編集部コメント
8月24日の発表記事で紹介した際は世界観とシステムの骨格が中心だったが、今回の続報でシンジケートを率いる5人の主要人物が明らかになったことで、「誰を信頼し誰を疑うか」という物語の駆動軸がより具体的に見えてきた。それぞれ異なる目的を持つキャラクター同士の関係性が対話によって変化するという設計は、非同期マルチプレイというシステムとも自然に噛み合う——他プレイヤーの痕跡がNPCのメッセージに紛れ込むことで、誰が本物の存在で誰が幽霊のような痕跡なのかという不確かさが、シンジケートを巡る不信の物語とも重なる。
発売日が2日繰り上がったにもかかわらずストアページの表記が追いついていないという小さな齟齬は、1人開発者ならではの人手の限界を垣間見せる。約3〜4時間という密度の高い完結型ストーリーが、モッディングと非同期コンテンツを通じてどこまで長く生き続けるか、9月末の正式リリース以降の展開に注目したい。
「ラジオテキスト(Radiotext)」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Alp Arslan |
| パブリッシャー | Alp Arslan |
| ジャンル | アドベンチャー、インディーズ、RPG(テキストベースのサイバーパンクハッキングRPG) |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 発売日 | 2026年9月28日/スチームショップページには9月30日と表記、確認が必要) |
| 言語 | 英語(インターフェース・音声・字幕)、チュルキイェア(インターフェース・字幕)支援 |
| 反応/評価 | 正式発売前にスチームユーザーレビュー未集計 |
| スチームページ | ショートカット |







