スウェーデンのインディーパブリッシャーRaw Furyと日本のパブリッシャーKakehashi Gamesが、開発社Medium-Rare Gamesの新作ダンジョンクローラー『Dungeon Automata(ダンジョン・オートマタ)』の共同パブリッシングを発表した。当初「Algolemeth(アルゴレメス)」というプロジェクト名で開発が進められていた本作は、今回の発表を通じて『Dungeon Automata: Algolemeth(ダンジョン・オートマタ:アルゴレメス)』という正式タイトルとサブタイトルを確定した。
直接操作せず、ゴーレムの行動をプログラミングするダンジョンクローラー
『Dungeon Automata』最大の特徴は、プレイヤーがキャラクターを直接操作しない点だ。
プレイヤーは錬金術でゴーレムパーティを作り、各ゴーレムが敵・罠・ボスなど多様な状況でどう行動するかをブループリントで設計する。
設計したロジックに合わせてゴーレムたちをダンジョンに投入すると、以降のすべての行動は自動で進行する。プレイヤーはリアルタイムで繰り広げられる戦闘と探索の結果を観察した後、弱点を補うためロジックを修正し再びダンジョンに挑む、フィードバックループに基づいた楽しさを体験できる。
舞台となる世界「シンタクシア(Syntaxia)」は「腐敗の塔(Tower of Corruption)」とともに現れたモンスターたちに脅かされている。プレイヤーはゴーレムを合成し、プログラミングして、塔の頂上へと続く迷宮を攻略しなければならない。
試行錯誤で解き明かす手作りダンジョン
レベルデザインも際立つ。開発陣が直接手作業で設計した塔の各階層は、それぞれ固有のギミックと挑戦課題を備えている。マップ各所に潜む罠とモンスター、画面を圧倒するボスに立ち向かうため、プレイヤーは環境を分析し、それに最適化されたゴーレムの「コーディング(行動ロジック)」を絶えず更新していく必要がある。
ゴーレムをダンジョンに送り込むとプレイヤーが直接介入できないため、結果を見守りながら問題点を見つけ出さなければならない。予想と異なる結果が出れば、ブループリントを修正して再びダンジョンへ送るという試行錯誤が核心的なプレイ方式だ。
探索過程ではゴーレムの物理能力値を高める触媒と、新たな行動・ターゲティングロジックを追加するノードも獲得できる。これらを活用すればゴーレムの特性と行動方式を細かく調整し、自分だけのパーティを構成できる。
小規模無料ゲームのみ手がけてきた1人開発者、初の商業作
『Dungeon Automata』は1人開発者gunzee2が運営するMedium-Rare Gamesの初の商業ゲームだ。これまで小規模な無料ゲーム制作に集中してきた開発者が、初めて商業プロジェクトに挑んだ作品でもある。
ゲームは2022年から業界の注目を集め始め、2023年に京都で開催されたインディーゲームフェスティバル「BitSummit Let’s GO!!」で独創的なブループリントメカニズムが評価され「Excellence in Game Design」部門の候補に選ばれた。
その後バンダイナムコが主催する独立開発者向けコンペティション「第2回GYAARスタジオインディーゲームコンテスト」でも受賞し、開発支援金とスタジオメンターシップなどの支援を受けた。Steamページは2023年12月に公開されている。
『Dungeon Automata』は今回の共同パブリッシング発表とともに、無料プレイ可能なデモをSteamで公開した。正式リリース日はまだ決まっていない。
編集部コメント
「プレイヤーがキャラクターを直接動かさない」という設計は、アクションの快感を放棄する代わりに、ロジック設計という別種の思考の快感を提供する賭けだ。開発陣が自ら「オートロジック」と名付けたこのジャンル定義は、ダンジョンクローラーの探索欲求とオートバトラーの戦略性、そしてビジュアルプログラミングの論理的思考——三つの異なる楽しさを同時に満たそうとする野心的な試みといえる。
『ベア・ナックル』『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の上城祐二氏が音楽を手がけるという事実は、レトロゲームファンにとって強力な訴求力を持つ。小規模無料ゲームのみを手がけてきた1人開発者が、Raw Fury・Kakehashi Gamesという日欧の実力あるパブリッシャー2社を同時に獲得したという経緯は、BitSummitとGYAARスタジオコンテストという2つの登竜門を経て着実に実力を証明してきた結果と読める。無料デモが公開された今、実際のブループリント設計の手触りを確かめてみる価値がある。
「ダンジョンオートマタ(Dungeon Automata)」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Medium-Rare Games (1人開発者gunzee2) |
| パブリッシャー | Raw Fury(スウェーデン), Kakehashi Games(日本)共同公開 |
| ジャンル | ダンジョンクローラー、オートバトラー、ビジュアルプログラミング(「オートロジック」) |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 発売日 | 未定(無料デモは2026年9月10日公開) |
| 言語 | 未確認 |
| 反応/評価 | 2023年ビットサミット「エクセレンスインゲームデザイン」候補、GYAARスタジオインディゲームコンテスト受賞 |
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