最大4,000万ウォンの資金援助とマーケティング支援。前年度は「BTSクッキングオン」など、累計450万DLの成果。
2026年 3月 4日 | インディーゲームドットコム 編集部
ソウル市とSBAは、中小ゲーム企業の制作効率向上とグローバル競争力強化を目的とした支援事業を本格化させる。締め切りは3月26日午後5時まで。ソウル市内に拠点を置く中小ゲーム企業が対象となる。
■ 1. 「生成AI活用支援」を新規導入。技術格差を打破
今年最大の見どころは、新たに新設された**「生成AI活用制作支援」**だ。
大手メーカーが独自のAIモデルや専門組織を構築する中、中小企業が取り残されないよう、商用AIツールのライセンス費用や導入コンサルティングを支援する。
- 対象: 5社
- 支援金: 1社あたり約1,000万ウォン
- 活用例: ChatGPT(企画)、Midjourney / Stable Diffusion(アート)、GitHub Copilot(コーディング)などの有料ライセンス。
■ 2. 制作からグローバル進出までを支える3大カテゴリー
今回の支援は、開発フェーズに合わせて3つのトラックに分かれている。
| 支援分野 | 対象社数 | 最大支援金 (1社あたり) | 主な支援内容 |
| 生成AI活用制作支援 | 5社 | 約1,000万ウォン | AIツールライセンス購入、導入コンサル |
| ゲーム制作支援 | 4社 | 最大3,000万ウォン | 開発・制作人員の人件費 |
| ゲームマーケティング支援 | 4社 | 最大4,000万ウォン | ローカライズ、UA広告、インフルエンサー広報 |
■ 3. 実績が証明する支援の力
2025年度の同事業では、8つの支援企業が累計450万ダウンロードを達成するなど、目覚ましい成果を上げている。
- 『Guns Tower』(Sadollar): 世界的パブリッシャー「Voodoo(ブードゥー)」と契約を締結し、北米市場へ進出。
- 『BTSクッキングオン:タイニータンレストラン』(Grampus): 世界170ヶ国でリリース。BTSの世界的ファン層をターゲットにした大規模マーケティングを展開。
- 『熱レべ!』(Super Planet): 人気ウェブトゥーンを原作としたタイトルで、東南アジア市場を積極的に開拓。
■ 4. サンアム(上岩)を拠点とした総合サポート
ソウル市は資金援助だけでなく、上岩洞(サンアムドン)にある**「ソウルゲームコンテンツセンター」**を通じ、入居スペースの提供やネットワーク構築、国内外の展示会参加支援など、スタートアップの成長を多角的にサポートしている。
💡 編集部の視点:AIは中小企業の「味方」になるか
ソウル市の今回の決定は、AIを「脅威」ではなく「レバレッジ(てこ)」として活用しようという明確なメッセージです。特にアートやコーディングの効率化は、少人数チームのインディーメーカーにとって、AAAタイトルに対抗するための唯一の対抗手段になり得ます。行政がAIツールのライセンス代を直接支援するという踏み込んだ姿勢は、日本の自治体にとっても参考になる事例と言えるでしょう。
ソウル経済振興院「2026ゲームコンテンツ事業化支援事業」申請ページ:
https://www.sba.seoul.kr/Pages/BusinessApply/PostingDetail.aspx?p=1&mid=d225a3db-e412-f111-b404-d4f5ef4a1e33