ゲームジャムの試作から商業的成功へ。98%の支持を得たオーストリア発「癒やし系クモ・シミュレーター」の軌跡。
2026年 1月 21日 | インディーゲームドットコム デ스크
オーストリアのインディー開発チーム Fire Totem Games が手掛け、Future Friends Gamesがパブリッシングする物理ベースのサンドボックスゲーム**『A Webbing Journey(ア・ウェビング・ジャーニー)』**が、Steamでのリリース以来、98%という「圧倒的に好評」な評価(レビュー数936件)を獲得し、インディーゲーム界の新たな話題作となっています。
■ ゲームジャムの小さな実験が、4年の歳月を経て結実
本作の始まりは、2017年に個人開発者のセバスチャン・ウィッツ(Sebastian Uitz)氏が設立したFire Totem Gamesでの小さなプロジェクトでした。2019年にはコアメンバー4人が揃い、一連の革新的な試行錯誤の末に『A Webbing Journey』のプロトタイプが誕生しました。
クラーゲンフルト大学のゲーム研究プログラムや、オーストリア政府機関の支援を受けながら、チームはこの小さなクモの物語を4年かけて商業レベルまで育て上げました。CEOのセバスチャン氏は「チュートリアルレベルのアイデアが、これほど没入感のある世界に発展するとは思わなかった」と振り返ります。

■ 家政婦ならぬ「家政クモ」? シルキーの愛らしい冒険
プレイヤーが操るのは、つぶらな瞳が特徴の小さなクモ、「シルキー」。シルキーは、大好きな人間のルームメイトたちが住宅ローン(Mortgage)という「恐ろしい存在」と戦いに出かけている間、自分なりに家事を手伝おうと決意します。
- クモの能力をフル活用: 無限に生成されるクモ糸を使い、クッキーを焼く、皿を洗う、花に水をやるといった家事をこなします。
- 自由な移動: 天井、壁、さらには水中まで、あらゆる表面を這い回ることが可能。クモ糸を使ったスイング移動は非常にレスポンスが良く、家全体が巨大な遊び場となります。
- 物理演算の醍醐味: 数百種類ものインタラクティブなオブジェクトがあり、プレイヤーの発想次第で解決策は無限に広がります。
■ クモ恐怖症への配慮と、遊び心あふれるカスタマイズ
本作は、クモが苦手なプレイヤーにも配慮した「クモ恐怖症モード」を搭載。設定をオンにすると、クモや昆虫が丸くて可愛らしいボール状に変化します。また、シルキーの外見もカスタマイズ可能で、帽子や靴、目の形、毛の質感まで変更でき、自分だけのユニークなクモを作成できます。
■ 「バグを面白い機能に変える」SNSでのバイラル戦略
Fire Totem Gamesの成功を支えたのは、SNSを通じたコミュニティとの密接なコミュニケーションです。彼らは開発中に発見されたバグを修正するだけでなく、あえて「面白い機能」として再解釈し、TikTokやTwitterで共有しました。
「空飛ぶクモの糸」のようなコミカルな現象をチュートリアル形式で紹介するスタイルは、ユーザーの間で大きな話題となり、ゲームの知名度を飛躍的に高めました。現在、PC版だけでなくモバイル版も350万ダウンロードを記録する大ヒットとなっています。
■ 今後のアップデート:マルチプレイの可能性も
現在はアーリーアクセス版として、キッチン、オフィス、子供部屋の3つのステージが提供されています。開発チームは、今後1年以内にさらなる部屋やミッション、カスタマイズオプションを追加し、最終的には「マルチプレイヤーモード」の導入も視野に入れています。
オーストリア独立インディーズ開発チーム** Fire Totem Games**は?

Fire Totem Gamesはオーストリアに拠点を置く小規模独立ゲーム開発スタジオで、2017年にSebastian Uitzの1人開発スタジオで始まり、現在は6人のチームで活動している。 Unityエンジンを活用した物理ベースのサンドボックスゲームと、他人が触れないユニークで革新的なゲームメカニズムを追求する開発哲学を持っている。 SNSとコミュニティを通じたファンとのコミュニケーションに非常に積極的であり、これを通じたアイデアの発掘や新規ゲームシステムの開発など、ユーザーから「一緒に作っていくオープンマインド」がメリットとして挙げられるという評価を受けている。
| 区分 | 主な内容 |
| スタジオ名 | Fire Totem Games |
| 代表とディレクター | Sebastian Uitz |
| 設立年 | 2017年 |
| スケール | 6人(2025年基準) |
| 主な歴史 | •2017年:1人開発スタジオFire Totem Gamesを設立 •2021年:A Webbing Journeyプロトタイプ開発を開始 •2023年:オーストリアのクラーゲンフルト大学およびITECサポート、法人設立 •2025年:A Webbing Journey PC版(Steam)公式リリース •2026年:モバイルデモバージョン350万件以上のダウンロード履歴、iOSの新規リリース |
| 公式ホームページ | https://www.firetotemgames.com/ |
| 公式トレーラー | [ A Webbing Journey] Official Gameplay Trailer |
| スチームショップページ | [ A Webbing Journey] – Steam Store |





