ブラジルの4人組インディースタジオLiminal Roadが手がけるPSXスタイルのサバイバルホラー『Doctor Viscera: Definitive Edition』が6月23日、Steamに正式リリースされた。本Definitive Editionはオリジナル版の全コンテンツを収録しつつ、新たな敵・エリア・ゲームプレイ改善・ビジュアルアップグレードを加えた完全版であり、既存購入者には無料アップデートとして提供される。リリース直後のSteamレビューは63件中100%「非常に好評」を記録しており、ホラーゲームファンの間で早くも話題となっている。
PS1の粗い質感が生む、現代ホラーにはない「不安」
廃墟となった精神病院「グリムハウス(Grimhaus)」を舞台に、プレイヤーは五つの夜を生き延びなければならない。
Liminal Roadがあえてオールドスクールなロウポリゴン・PSXスタイルを選んだ理由は明快だ。開発チームはその理由を「極端なリアリズムに頼ることなく、奇妙で不安な環境を作り出せるから」と説明する。モダンなフォトリアリスティックグラフィックスでは表現しきれない「輪郭のぼやけた恐怖」——それがPS1美学の真骨頂だ。
グリムハウスの世界観はゴシックホラーとH.P.ラヴクラフト作品の影響を色濃く受けており、そこにフランケンシュタインや『リ・アニメーター』特有の狂気じみた雰囲気が重なる。Definitive Editionでは新たな雨のエフェクト、強化された墓地のビジュアル、改善された空間音響システムが加わり、追跡シーンにおける足音の方向感覚と距離感がより正確に伝わるようになった。
新敵「ナース」登場——遠距離攻撃が従来の生存法則を崩す
Definitive Editionの最大の追加要素は、新たな敵キャラクター「ナース(Nurse)」だ。
従来のドクター・ビセラとは異なり、ナースは遠距離攻撃でプレイヤーを圧迫する。移動速度こそ遅いが、離れた位置からでも脅威を与えてくるため、これまでの「隠れてやり過ごす」戦術だけでは対応しきれない。状況によってはナースを武装解除して逆襲を狙うなど、新たな戦略的選択肢も生まれている。
また新エリアとして「トラムシステム」を備えた区画が追加された。探索を補助するだけでなく、追い詰められた際の緊急脱出ルートとしても機能する設計だ。
そのほかのアップデート内容は、新プレイヤーモデル、引き出しとキャビネットのインタラクションシステム、再設計された図書館パズル、レベルデザインの改善、実績8種追加、コントローラーサポートなど多岐にわたる。
五つの夜を生き延びろ——『Granny』系譜の追跡ホラーとして
ゲームの構造はシンプルにして明快だ。廃病院グリムハウスの廊下を探索し、パズルを解き、資材を集める——その間、狂気の実験を繰り返すドクター・ビセラの追跡を逃れ続けなければならない。ロッカーに身を潜め、物音を最小限に抑え、ステルスで立ち回ることが生存の鍵となる。
この構造は『Granny』『Evil Nun』『Stay Out of the House』『Ice Scream』といった追跡型ホラーの系譜に連なる作品として評価されている。
Steamユーザーからは「一瞬も気を抜けない」「単なる恐怖ゲームではなく、不安感を戦略的に活用した作品」「PS1スタイルのビジュアルと追跡戦の組み合わせが印象的」といった声が上がっている。一方で、インベントリ容量の制限や難易度調整に関する改善要望も一部に見られる。
ホラーを愛する4人の友人が作ったスタジオ——グリムハウスはまだ広がる
Liminal Roadは、ホラーというジャンルを愛する4人の友人によって設立されたブラジルのインディースタジオだ。「恐怖を多様なジャンルとゲームプレイシステムと組み合わせること」を軸に、独自のアイデンティティと強い印象を残す作品作りを目指している。代表作は『Laser Tag Massacre』と本作『Doctor Viscera』。
開発チームは今後もグリムハウスの世界観をさらに拡張していく方針で、コンソール版のリリースと並行して、同一世界観を共有する新規プロジェクトも準備中とのことだ。
編集部コメント
PSXホラーのリバイバルは『Bloodwash』や『Puppet Combo』作品群が火をつけた潮流だが、『Doctor Viscera』はその流れに乗りながらも追跡型ホラーとのハイブリッドという独自の立ち位置を確立している。
4人チームによるブラジル産インディーが、既存購入者への無料アップデートという誠実な選択でDefinitive Editionを届けたことも評価に値する。Steamレビュー100%という数字は、小規模タイトルゆえの母数の少なさを割り引いても、作品の方向性が明確にターゲット層に刺さっている証左だろう。
PSホラーの質感と密室追跡の緊張感を同時に求めているプレイヤーには、今すぐウィッシュリストに入れておくべき一本だ。
Steamページは**こちら**から。
「 Doctor Viscera:Definitive Edition」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社/パブリッシャー | Liminal Road(ブラジル、4人チーム) |
| ジャンル | PSXスタイルサバイバルホラー/パズルアドベンチャー/ステルス |
| リリースプラットフォーム | PC(Steam)/コンソール(今後発表予定) |
| 発売日 | 2026年6月23日(Definitive Edition) |
| 原作リリース | 2025年10月(Steam) |
| スチームレビュー | 非常に肯定的な100%(63個) |
| 既存のオーナーの更新 | 無料(追加料金なし) |
| アートスタイル | PSX・PS1インスピレーションレトロビジュアル |
| 世界観のインスピレーション | HPラブクラフト/フランケンシュタイン/リー・アニメーター |
| ジャンルのインスピレーション | Granny / Evil Nun / Stay Out of the House / Ice Scream |
| 新規コンテンツ | ナース(遠距離攻撃的) / トラムシステムゾーン / 新しいプレイヤーモデル / 8個実績 |
| 開発会社の前作 | Laser Tag Massacre / Doctor Viscera (原作) |
| 主なキーワード | PSXホラー、精神病院、ステルス、パズル、追撃、ゴシック、ラブクラフト、ブラジルインディ |
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