「ソウルに行かなくても夢は叶う」——。旧市街を巨大なコンテンツ・クラスターへ作り変える、順天市の壮大な挑戦。
2026年 2월 27일 | インディーゲームドットコム 編集部
全羅南道の順天市は26日、コンテンツ企業の誘致と成長支援を目的とした投資説明会を開催した。会場には首都圏の企業50社を含む約100名の関係者が詰めかけ、同市が提示する破格の支援策に熱い視線を送った。

■ 1. 100億円規模の「戦略ファンド」と手厚い定착支援
順天市は、今年度のコンテンツ支援予算を前年比2倍に増額。さらに、総額980億ウォンにのぼる「文化コンテンツ戦略ファンド」を運用し、IP(知的財産)開発や新技術を持つ企業へ直接投資を行う。
| 支援項目 | 内容 |
| 戦略ファンド | 総額980億ウォン規模の投資(IP・新技術分野) |
| インフラ支援 | 旧市街地の空きビル(35棟・63室)を制作スペースとして提供 |
| 定着支援 | 雇用補助金、住居費(定住費)、コンテンツ制作費の直接支援 |
| ビジネス支援 | B2B・B2C総合コンテンツフェスティバルの開催、海外進出支援 |
■ 2. 旧市街地が「制作基地(Wantsland)」に生まれ変わる
順天市の戦略の核心は、旧市街地(ウォンドシム)の再生とコンテンツ産業の融合だ。
- アンカー企業の誘致: すでにウェブトゥーン大手の「KENAZ」や、アニメ制作の「LOCUS」など約30社が投資協定を締結し、順次入居を開始している。
- 現場ツアーの実施: 説明会後には、実際にオフィスとして利用可能な空き物件を巡るツアーを実施。企業と空間のマッチングをその場で進めるという、極めて実践的なアプローチが取られた。
■ 3. 「南海岸のコンテンツハブ」を目指して
市は単なる企業の物理的な移転にとどまらず、地元大学との産学連携を通じた「若手人材の育成」にも力を入れている。
「首都圏に行かなくても、地方でコンテンツ分野の夢を実現できる、南海岸圏のコンテンツハブを構築する」
市関係者が語ったこの言葉は、クリエイターが住みやすく、かつ仕事に没頭できる環境を自治体が責任を持って用意するという強い覚悟の表れだ。
自然豊かな順天湾を背に、最先端のクリエイティブが生まれる「Wantsland」。
💡 編集部の視点
順天市の取り組みが興味深いのは、単なる「工場誘致」のような形式ではなく、アニメや漫画といった「文化」を都市のアイデンティティとして再定義している点です。旧市街の空き家を「クリエイティブな秘密基地」として提供する発想は、若手クリエイターやインディーチームにとっても非常に魅力的。韓国の「K-コンテンツ」の底力は、こうした地方自治体の攻めの姿勢によって支えられているのかもしれません。

