残すべきもの、手放すべきもの。たった一つの箱に詰め込まれた「記憶」が、彼女の物語を完成させる。イギリスの田舎町を舞台にした、至極のヒーリング体験。
『A Storied Life: Tabitha』は、他界した老婦人・タビタの邸宅を訪れ、彼女の遺品を整理しながら、未完成に終わった彼女の回顧録を書き上げていくナラティブ・パズルゲームだ。
■ 1. 「一箱の思い出」に何を込めるか
タビタは生前、出版契約を結んでいたが、不慮の事故により原稿が失われてしまった。プレイヤーは家の中を回り、彼女が愛用していた品々を整理していく。
- 苦渋の選択: 各部屋で物を見つけ、「保管」「オークション(競売)」「リサイクル」のいずれかを選択する。
- 物理パズルの緊張感: タビタの人生を象徴する品として残せるのは、たった一つの箱に収まる分だけ。重いものは下に、壊れやすいものは柔らかいセーターの間に挟むといった、物理演算に基づいたパッキング作業が求められる。
- 物語の分岐: 箱に詰めた品物によって、回顧録のキーワードが変化する。タビタを「愛情深い母親」として描くか、「情熱的な植物学者」として描くか。彼女がどのような人物であったかは、プレイヤーの選択に委ねられている。
■ 2. 五感を癒やす「水彩画のアート」と「生活の音」
本作の大きな魅力は、手描きで丁寧に作り込まれたビジュアルとサウンドの調和にある。
- 水彩画の美学: イギリスののどかな田舎にある「ラベンダー・レース別荘」は、淡い色彩と柔らかな光で描かれ、プレイヤーに深い安らぎを与える。
- ASMRのような聴覚体験: 戸棚が軋む音、古い手紙を折る時のカサカサとした乾いた音、セーターを広げる時の柔らかな摩擦音。細部までこだわり抜かれたサウンドデザインが、まるで実際にその場にいるかのような没入感を生み出している。
■ 3. 実力派スタジオが贈る、最も「個人的」なプロジェクト
開発の Lab42 Games(Sumo Digital傘下)は、これまで『ソニックマニア』や『Forza Motorsport』の移植、そして『A Little to the Left』のパブリッシング支援など、幅広い実績を持つスタジオだ。
本作は、同スタジオの作家チェリッシュ・ゴールドストロー(Cherish Goldstraw)氏のアイデアからスタートした。死という重いテーマを、遺品を通じてポジティブに捉え直す本作は、開発チームにとっても「最もやりがいのあったプロジェクト」として語られている。
「部屋が空っぽになるたび、彼女の人生はあなたの中で色鮮やかに完成していく。」
■ 編集部の視点:2026年、パズルは「心の整理」の道具になる
本作は『Unpacking』が提示した「荷解きによる物語」を、さらに一歩進めた「荷造りによる物語」へと昇華させました。一つ一つの品物を手に取り、タビタの人生に思いを馳せる時間は、プレイヤー自身の人生を振り返るきっかけにもなるはずです。悲しみではなく、慈しみをもって「死」を語る本作の姿勢は、多くのインディーゲームファンの心に深く刻まれることでしょう。
📋 『A Storied Life: Tabitha』作品スペック
| 項目 | 内容 |
| デベロッパー | Lab42 Games (イギリス・レミントン・スパ) |
| パブリッシャー | Secret Mode |
| ジャンル | ナラティブ・パズル / コジー / ヒーリング |
| プラットフォーム | PC (Steam), Nintendo Switch |
| リリース日 | 2026年 4월 14일 (配信中) |
| 価格 | $14.99 (Steamリリース記念10%OFF実施中) |
| 核心要素 | 遺品整理、収納パズル、マルチエンディング、手描きアート |
| Steamページ | タビタの回顧録を完成させる |





