ゲームボーイカラー風の4色ドット絵で描かれる、廃品置き場の奇跡。優しさと残酷さの狭間で揺れる、マルチエンディングの対話劇。
2026年 4月 16日 | インディーゲームドットコム 編集部
『BatteryNote』は、コールドスリープから目覚めた整備士となり、暗く狭い整備室で発見した三体のロボットたちと対話するビジュアルノベル形式のアドベンチャーゲームだ。
■ 1. 廃品置き場で目覚めた、三体の「忘れ形見」
物語は、動かなくなった三体のロボットに充電装置を繋ぎ、一時的に再起動させるところから始まる。
- J.S.C.A.: ダイナーのウェイトレスとして働いていた、お茶目で陽気なロボット。
- ドヴィンド R7 (Dwind R7): 戦場の記憶に囚われ、誇り高く振る舞う退役軍人ロボット。
- サベリー (Subery): 明るく振る舞いながらも、過去の傷を隠しきれない監視ロボット。 彼らにはそれぞれ、捨てられるに至った理由と、消えることのない記憶が刻まれている。
■ 2. 交流か、実験か。バッテリーが尽きる前の「選択」
ロボットたちに残されたバッテリーは極めてわずか。彼らが完全に機能を停止するまでの短い時間を、プレイヤーはどう使うか。
- 対話と共感: 彼らの話に耳を傾け、最期の瞬間に寄り添う。
- 電流による実験: より強い電流を流し、彼らの極限状態の反応を観察する。 プレイヤーが親切に接するか、あるいは冷徹な観察者として振る舞うかによって、ロボットたちの反応と物語の結末は劇的に変化する。
■ 3. ミニマリズムが奏でる「SFの叙情詩」
本作のビジュアルとサウンドは、あえて制限を設けることで独創的な美学を確立している。
- 4色のピクセルアート: 90年代のゲームボーイカラーを彷彿とさせる、わずか4色で構成されたグラフィックが、閉塞感のある整備室とSF的な重厚感を際立たせる。
- 開発者自らによるOST: 72studioが作曲したサウンドトラックは、ロボットとの別れを象徴するように切なく、静かな余韻を残す。このOSTはSteamで別売り、またはバンドルとしても提供されている。
「さよならを言うための電力は、まだ残っていますか?」
■ 「真摯な趣味」が生んだ、100%支持される名作
開発の 72studio は、本業の傍らで「真摯な趣味」としてゲーム制作を行う日本のソロデベロッパーだ。プログラミングからシナリオ、楽曲制作まで全て一人でこなし、人間と非人間(ロボット)の友情や交感をテーマに掲げている。
パブリッシャーの room6(『アンリアルライフ』等で知られる)とのタッグにより実現した本作は、Steamでのユーザーレビューが100%肯定的という、驚異的な満足度を記録している。
📋 『BatteryNote(バッテリーノート)』作品スペック
| 項目 | 内容 |
| デベロッパー | 72studio (日本 / 個人開発) |
| パブリッシャー | room6 Inc. |
| ジャンル | SFアドベンチャー / ビジュアルノベル |
| リリース日 | 2026年 4月 16日 (韓国語版配信開始) |
| プラットフォーム | PC (Steam / Windows・macOS) |
| 価格 | $11.99 (日本価格:約1,200円前後) |
| 核心要素 | 4色ドット絵、マルチエンディング、バッテリー管理、対話システム |
| 評価 (Steam) | 非常に好評 (100% 肯定的) |
| Steamページ | ロボットたちの最期を見届ける |
💡 編集部の視点:2026年、小さな物語が「魂」を揺さぶる
1プレイの時間は決して長くありませんが、その「密度の濃さ」は圧倒的です。便利に使われ、古くなれば捨てられるロボット。彼らに命(電力)を吹き込み、最後に対等な存在として向き合う体験は、効率ばかりが重視される現代への静かな問いかけのようにも感じられます。今夜、静かな部屋でヘッドホンを着けてプレイしてほしい一作です。



