映画音楽家が贈る、静寂と狂熱のサイバーパンク。不審度を管理し、巨大企業の闇「プロジェクト・ライトハウス」を暴け。
2026年 4月 10日 | インディーゲームドットコム 編集部
『Remain at Your Desk』は、巨大企業国家「RAYND社」を舞台にした、1人称視点のクリッカー・シミュレーションだ。現在、itch.ioにてブラウザ版のプロトタイプが無料公開されており、その独特な雰囲気と中毒性がインディーゲームファンの間で注目を集めている。
■ 1. 「昼」の隠蔽と「夜」の侵食
プレイヤーの日常は、昼夜で劇的に変化する。
- 昼(勤務モード): 報告書の作成やデータベースの管理を行い、模範的な社員を演じる。目的は、会社の「不審度(Suspicion)」を上げないことだ。
- 夜(ハッキングモード): 灯が消えたオフィスで、ファイアウォールを突破し機密データを盗み出す。盗んだクレジットで機材をアップグレードし、さらなる深淵へと潜り込んでいく。 不審度が上がれば尋問や解雇が待っているが、ギリギリの線を攻めることで昇進し、より高度なシステムへのアクセス権を手に入れることができる。
■ 2. 映画音楽家が設計する「音」のディストピア
開発者の Jared D. 氏は、数々の受賞歴を持つ映画音楽作曲家だ。本作の最大の特徴は、彼自身が手がけた極めて没入感の高いサウンドデザインにある。
- 聴覚的なコントラスト: 昼の単調で抑圧的な環境音と、夜の緊迫感溢れるシンセサイザーの旋律が、プレイヤーの心理状態を巧みに操作する。
- レトロ・ターミナル: ビジュアルは黒地に緑や赤の文字が踊る、クラシックなテキストベースの2Dスタイルを採用。ミニマルな画面が、かえってプレイヤーの想像力を刺激し、見えない監視者の視線を強く意識させる。
■ 3. クリッカーの枠を超えた「戦略的深度」
一見シンプルなゲーム性に見えるが、その中身は驚くほど硬派だ。
- 膨大な強化ツリー: 22種類のアップグレード、12種類の実行スクリプト、そして6段階のプレステージシステムを搭載。
- ペルソナ・システム: 6つの偽装身分(ペルソナ)を切り替えて追跡を逃れるが、同じペルソナを使いすぎると「焼失(Burn)」し、二度と使えなくなるリスクも。
- 謎に満ちた物語: 10個の機密データのかけらを集めることで、「13階」や「CONDUIT」、そして「プロジェクト・ライトハウス」の恐るべき真実が明らかになっていく。
「昇進を喜ぶな。それは、監視がより厳しくなった証拠だ。……ハッキングを開始せよ。」
■ 音楽とゲームの融合:開発者 Jared D. の挑戦
Jared D. 氏は本作以外にも、タワーディフェンスと音楽ゲームを融合させた**『Groove Defense』**を同時開発中だ。タワーを建てるほどサウンドトラックが豪華になるという独創的なコンセプトの同作は、Steamのタワーディフェンス・フェスにも選出されており、彼の「音楽的背景をゲームデザインに直結させる」手法は、次世代のインディー開発スタイルとして高く評価されている。
📋 『Remain at Your Desk』作品スペック
| 項目 | 内容 |
| デベロッパー | Crunch Moonkiss Studios (Jared D. / 1名体制) |
| ジャンル | サイバーパンク・増分型クリッカー / 戦略シミュレーション |
| プラットフォーム | PC (Steam), ブラウザ (itch.io プロトタイプ) |
| リリース予定 | 未定 (Steamウィッシュリスト受付中) |
| 対応言語 | 英語、日本語、中国語(簡体字) |
| 核心要素 | 昼夜デュアルモード、22のアップグレード、ペルソナ管理、機密データ収集 |
| 公式サイト | crunchmoonkiss.itch.io |
💡 編集部の視点:2026年、クリッカーは「物語」の器になる
単なる「数字を増やすだけのゲーム」はもう古いのかもしれません。本作が提示するのは、数字の増加がそのまま「ディストピアでの生存と反逆」に直結する快感です。作曲家としての感性を活かした「音による演出」が、地味になりがちなテキストベースの画面をどれほどスリリングに変貌させているのか。ぜひ、itch.ioのプロトタイプでその「震えるような静寂」を体験してみてください。




