
2025年の目覚ましい成果を糧に、2026年の韓国インディーゲーム市場はさらなる高みへと昇ろうとしている。Lizard Smoothieの『Shape of Dreams』が発売2週間で50万本を突破するなど、K-インディーのグローバルな競争力はすでに証明済みだ。本稿では、2026年の韓国インディーゲーム産業を牽引する4つの動機について紐解く。
1. AI技術による開発パラダイムの転換
2026年、最も大きな変化は「AI技術の本格導入」である。韓国政府はゲーム産業へのAI導入支援に**75億ウォン(約8.2億円)**の新規予算を編成した。
- 効率化の極致: 3Dモデリング、リギング、LODの自動化により、数週間かかっていた作業が数時間に短縮されている。
- 成功事例: KRAFTON傘下のRelu Gamesは、生成AIを活用し、わずか3人の開発者で1ヶ月という短期間で『魔法少女ルルピン』をSteamにリリースした。
- 展望: 2025年のSteam新作の約20%が生成AIを活用しており、今後5〜10年以内に全ゲームの50%がAIベースで開発されると予測される。

2. 政府支援の拡大と政策の体系化
韓国全土に広がる12カ所の「グローバルゲームセンター」が、地域の特性に合わせたインディーゲーム育成を加速させている。
- 全方位支援: 韓国コンテンツ振興院(KOCCA)やセンターを通じて、居住空間、制作費、輸出支援など、スタートアップに不可欠なインフラを提供。
- 官民連携: ネオウィ즈(NEOWIZ)やスマイルゲート(Smilegate)といった先導企業と提携し、コンサルティングや事業化の優先特典を与えるなど、持続可能なエコシステムを構築している。

3. 大手パブリッシャーによる「インディー発掘」の激化
かつては「安定」を求めていた大手メーカーが、今や積極的にインディーゲームへ投資している。
- スマイルゲート: 「ストーブインディー(Stove Indie)」を通じた継続的な投資とパブリッシング。
- ネオウィ즈: 『Skul』『SANABI』の成功に続き、1人開発者による『アンニョンソウル:梨泰院編』のパブリッシングを準備中。
- カカオゲームズ: 子会社のOcean Drive Studioを通じて3つのプレミアムインディータイトルの披露を予定。

4. グローバル市場への進出とマルチプラットフォーム戦略
もはや韓国のインディーゲームにとって世界進出は「特別なこと」ではない。
- 成功の系譜: 『Skul』の累計200万本突破、『SANABI』のクラウドファンディング14億ウォン達成など、商業的な成功が相次いでいる。
- 専門家の評価: SIEの元代表・吉田修平氏も「韓国インディーが持つセンス、MMOへの深い理解を背景とした爆発的な成長可能性」に何度も言及している。
- コンソールへの挑戦: スイッチ、PS5、Xboxといったマルチプラットフォーム展開がトレンドだが、厳しいQA(品質保証)や開発環境への対応など、現実的な障壁をいかに乗り越えるかが2026年の大きな宿題となる。

結び:2026年はK-インディーの「ゴールデンタイム」
2026年のK-インディーゲームは、これまでのローグライトやアクションといったジャンルを超え、韓国固有の情緒や文化(K-POP、歴史など)を盛り込んだ多様なジャンルで勝負をかける。技術、資本、そしてクリエイティビティが融合する2026年は、韓国ゲーム産業が質的飛躍を遂げる決定的な一年になるだろう。






