韓国のインディデベロッパー・Yusu Games(유수게임즈)が開発し、Neptune(넵튠)がパブリッシングを手がけるモバイル向け放置系RPG『Idle Cat Gunner: Shooter RPG』(韓国語タイトル:총잡이 고양이)が、リリースから4か月で累計売上200億ウォンを突破した。
パブリッシング開始当初は約700万ウォンだった日次売上は最大3億5000万ウォンにまで拡大。売上全体の75%を海外が占めるなど、グローバル市場でも成果を上げている。
銃を持った猫が木を撃つ? シンプルでユニークな放置系RPG
本作は、銃を構えた猫が木を攻撃して資源を集め、キャラクターを育てていく放置系シューティングRPGだ。
ゲームの核となるのは繰り返しの成長サイクル。木を撃って資源を獲得し、一定段階に達すると「転生」で能力値を強化して再び成長に挑む。シンプルで直感的な操作をベースに、放置系RPGならではの育成構造を形にしている。
Neptuneはパブリッシング担当後、手薄だった終盤コンテンツを補う「探検」モードを追加。新たな収益モデルと自社のアドテク技術も導入し、サービス全体を改善した。
AIを活用した少人数開発
開発元のYusu Gamesは少人数でゲームを制作するインディスタジオで、開発過程でAIを活用した点も注目を集めている。ただし、AIがどの工程にどの程度使われたのか、具体的な内容は明らかにされていない。
Neptuneは今年6月から本作のパブリッシングを担当。同社は今年、ハイブリッドカジュアルゲームのパブリッシングを3大新規事業の一つに据え、子会社Triplla(트리플라)を合併して開発組織を内製化したほか、3月にはパブリッシングブランド「Flick」を立ち上げ、外部デベロッパーとタイトルの発掘にも乗り出した。本作は、その事業拡大の中で外部インディデベロッパーとの協業によって生まれた最初の主要な成果となる。
日次売上700万ウォン→最大3億5000万ウォン
Neptuneによると、パブリッシング初月の新規ユーザー基準で1日目リテンションは50%、7日目は25%を記録。広告費に対する売上を示すROASは最大157%まで上昇した。
日次売上は契約当初の約700万ウォンから最大3億5000万ウォンへと増加し、ピーク値ベースでは約50倍の規模となる。9月時点で売上の75%が海外から発生しており、米国市場の日平均売上はマーケティング拡大前と比べて最大16倍に伸びた。
なお、3億5000万ウォンはあくまで日次売上の最高記録であり、平均日次売上は公表されていない。累計売上やリテンション、ROAS、海外比率などの主要指標も、すべてNeptuneの発表によるものだ。

小規模チーム×パブリッシャー、新たな成功モデルとなるか
Neptuneの姜律彬(カン・ユルビン)代表は、本作がハイブリッドカジュアルのパブリッシング事業の可能性を数字で証明した最初の事例だとしたうえで、グローバル市場で同社のパブリッシング力とアドテクの競争力を確認できたことから、今後も小規模デベロッパーの成功を支えるパートナーを目指すとコメントしている。
同社は今後もYusu Gamesのスピーディーな開発・意思決定を軸に、ユーザーの声を反映したコンテンツアップデートを継続していく方針だ。
専門家の視点:売上の数字の裏にあるマーケティングコスト
嘉泉(カチョン)大学ゲーム映像学科のJung Musik(チョン・ムシク)教授は、「リリース4か月で累計売上200億ウォン、最高日次売上3億5000万ウォンは間違いなく驚くべき成果だが、インディ開発者には売上の数字だけにとらわれないでほしい」と語る。
丁教授は、「売上ポテンシャルが検証されたタイトルであれば、パブリッシャーのスケールアップ・マーケティングによって売上を伸ばすこと自体はそれほど難しくない。しかし課金ユーザー獲得のための集客コストが上がり続けるなか、セールスランキング上位のタイトルでも、積極的な拡大局面ではマーケティング費が売上の50%以上を占めるケースは珍しくない。この構造的な限界をはっきりと理解しておく必要がある」と指摘し、数字に埋没することへの警鐘を鳴らした。
さらに丁教授は、「インディ開発者が本作の成果から注目すべきなのは、やや陳腐に聞こえるかもしれないが、『猫』という実績のある題材と放置系を組み合わせて初期の成果を生み出した点だ。加えて、開発元がAIを積極的に活用し、市場の変化に素早く対応した点も見逃せない」と付け加えた。
実際、Neptuneが公表した最大ROAS 157%を単純換算すると、その時点では広告費1ウォンあたり約1.57ウォンの売上が生まれた計算になり、広告経由の売上の約64%が再び広告費に回っている構造だ。さらにアプリストア手数料(一般に15〜30%)や開発元とパブリッシャー間のレベニューシェアを考慮すれば、累計売上200億ウォンがそのまま開発元の収益を意味するわけではない。業界全体では、モバイルゲームのユーザー獲得(UA)コストは純売上の加重平均で約32%とする推計(マシュー・ボール氏)もあるが、新作のスケールアップ局面ではこれを大きく上回ることも多い。
編集部コメント
小規模チームが開発に集中し、専門パブリッシャーがマーケティング・マネタイズ・グローバル運営を担う――こうした分業型の協業は、インディ市場で着実に増えている。本作は「AIを活用した少人数開発」と「パブリッシャーの運営力」が噛み合った事例として興味深い。一方で、公開されている数値はピーク値やパブリッシャー側の発表に限られ、マーケティングコストを差し引いた実質的な収益は見えていない。短期的なヒットを長期的な成功へとつなげられるか、今後の推移に注目したい。





