ウクライナの1人開発者ヴォロディミル・ミハフ(Volodymyr Mikhav)氏のスタジオHidalgo Code(イダルゴ・コード)が、コメディパズルアドベンチャー**『Olaf and the Crowning Hangover(オラフ・アンド・ザ・クラウニング・ハングオーバー)』**のSteam無料デモに、ボイス演技を追加した。
10月6日(現地時間)に公開された今回のアップデートには、ものまねやキャラクター演技で知られる声優Brock Baker(ブロック・ベイカー)氏が参加。主人公オラフに加え、意地悪なオークの大工グリムラーク(Grimlark)、ナレーターの3役を演じている。
『Olaf and the Crowning Hangover』は、消えた王冠を探すドワーフの物語を、愉快なコメディと空間パズルで描く作品だ。正式版は2027年のSteamリリースを目指して開発が進められている。
二日酔いとともに消えた記憶、王冠はどこへ
主人公オラフは、めちゃくちゃになった酒場でひどい二日酔いとともに目を覚ましたドワーフの宝石細工師だ。昨夜何があったのか思い出せず、王国の王冠まで消えてしまっている。問題は、最有力の容疑者がオラフ自身だという点だ。
処刑人が待ち構える中、オラフは自分のしでかしたことの後始末をしつつ、王冠の行方を突き止めなければならない。荒れ果てた酒場を皮切りに、水車小屋、農場、城の厨房、地下牢など王国のあちこちを巡り、失われた記憶の断片をひとつずつつなぎ合わせていく。
物語は約1,000行に及ぶセリフで展開される。プレイヤーは個性豊かな登場人物たちと会話しながら、昨夜オラフに何が起きたのかを追跡していく。
意地悪なオークの大工グリムラークをはじめ、ギャンブル癖を隠すのがまるで下手な国王シャルル・ド・ヴァロワ(King Charles de Valois)など、奇想天外な人物も登場し、コメディの雰囲気を盛り上げる。
片付けるほど道が塞がる——倉庫番の公式を逆転させたパズル
ゲームの核は、古典的な「倉庫番(Sokoban)」に変化を加えた空間パズルだ。一般的な倉庫番が箱や障害物を押して道を作るのに対し、本作では散らかった物を元の場所に戻していく必要がある。重い物も、押すのではなく引っ張って動かす方式だ。
ところが、元の位置に戻した物はもう動かせない障害物になってしまう。椅子、テーブル、酒樽をひとつずつ修理するほど部屋はきれいになるが、オラフが動ける空間はかえって狭まっていく。
たとえば、テーブルを先に直すと出口が塞がるかもしれないし、酒樽を先に動かせば新たな移動ルートが開けるかもしれない。どの物から片付けるかによって移動経路が変わるため、修理の順番をきちんと計算しなければ、オラフは自ら逃げ道を塞いでしまうことになる。
パズルのルールも、進行に応じてバリエーションが増えていく。道に迷った客たちを蛇のように連なる「コンガライン」で安全な場所まで誘導したり、ビールでびしょ濡れの床を滑りながら巡回中の衛兵の目を盗んで移動したりするステルス要素も登場する。
酒場を抜けた後は、水車小屋、村の農場、城の厨房、地下牢などへと舞台が広がる。パズルを自作して他のプレイヤーと共有できる内蔵レベルエディターにも対応している。レトロなピクセルアートと現代的なパズル設計の融合も目を引く要素だ。
Brock Baker参加、無料デモにボイス演技を追加
今回のアップデートで最も大きな変化はボイス演技だ。既存の無料デモに含まれている水車小屋のシーンがフルボイス化され、Brock Baker氏がオラフ、グリムラーク、ナレーターの3役を演じた。
開発者は、何よりも心に響く物語を作りたかったと語り、ボイスが加わったことでキャラクターと物語がより生き生きとしたものになったと説明している。
無料デモは現在、Steamでプレイ可能だ。開発社は、初めて触れるユーザーはもちろん、以前デモを体験したユーザーにとっても、新たに追加されたボイスを確かめる良い機会だと紹介している。
ゲームデザイン賞受賞、Next Festでも高評価
『Olaf and the Crowning Hangover』は、リリース前からパズル設計とコメディ要素で注目を集めている。
Games Gatheringで最優秀ゲームデザイン賞(Best Game Design)を受賞し、Baltic Showcaseでも紹介された。
パズルゲーム専門メディアのThinky Gamesは、本作をSteam Next Festで披露された優れた「Thinky(思考型)」デモのひとつに選出した。Tiny Gamingも、巧妙なパズル、気の利いた文章、とぼけた設定が組み合わさったクラシックな面白さを好意的に評価している。
開発社は今後数か月のうちに、さらなるゲームフェスティバルやショーケースへの参加についても発表する予定だ。
2020年のゲームジャムから始まったウクライナの1人開発プロジェクト
Hidalgo Codeは、ウクライナ・クロピヴニツィクィイ(Kropyvnytskyi)を拠点に活動する1人開発者ヴォロディミル・ミハフ氏のスタジオだ。
『Olaf and the Crowning Hangover』はミハフ氏初の商業作品となる。2020年のゲームジャムプロジェクトとして生まれた小さなアイデアを、数年かけてコメディ、パズル、アドベンチャーを組み合わせた作品へと発展させた。
正式版は2027年のSteamリリースを目指している。英語音声に対応し、テキストは英語、ウクライナ語、ドイツ語、簡体字中国語、日本語に対応する予定だ。
編集部コメント
「元に戻すほど動ける空間が減る」というルールは、倉庫番の「押して道を作る」発想を真逆にした、シンプルながら鋭い逆転の着想だ。片付けという行為が整頓の達成感と自らを追い込むリスクを同時に生むため、プレイヤーは常に「最後の一手」から逆算して考えることを求められる。コンガラインやビールの床を滑るステルスといった派生ルールも、酒場の後始末というコメディ設定と自然に結びついている。
2020年のゲームジャムから数年をかけて育てた1人開発作品であり、Games Gatheringでの受賞やThinky Gamesの選出といった評価は、パズル設計の確かさを裏付けている。対応言語に日本語が含まれる予定なのは、日本のパズルファンにとって朗報だ。Brock Baker氏のボイスが加わった最新デモで、倉庫番好きはぜひ「逆転の発想」を体験してみてほしい。
「Olaf and the Crowning Hangover」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | イダルゴコード(Hidalgo Code) |
| パブリッシャー | 未確認 |
| ジャンル | コメディパズルアドベンチャー |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 発売日 | 2027年予定(無料デモ公開中) |
| 価格 | 未確認 |
| 言語 | 英語(音声とテキスト)、ウクライナ語、ドイツ語、簡体字中国語、日本語(韓国語未サポート) |
| 反応/評価 | Games Gathering 最優秀ゲームデザイン受賞、スチームネクストフェスト優秀シンキデモ選定 |
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