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    【ニュース】台北ゲームショウ2026大賞受賞!認知症の家族を描く『and Roger』が世界を揺さぶる感動の理由

    By Jaechung Lim2026년 01월 29일Updated:2026년 03월 08일1 Min Read

    「ボタンの意味がわからない」という絶望が、愛の深さを物語る。審査員が涙した1時間の物語が、ゲームの芸術的可能性を証明した。

    2026年 3月 8日 | インディーゲームドットコム 編集部

    アジア最大級のインディーゲームアワード「Taipei Game Show 2026 Indie Game Award(IGA)」において、日本の TearyHand Studio が手掛ける**『and Roger』が、最高栄誉である大賞(Grand Prix)と最優秀オーディオ賞(Best Audio)**の2冠を達成した。51ヶ国、515作品の頂点に立った本作は、認知症患者の視点から描かれる切なくも温かいナラティブ・アドベンチャーだ。

    ■ 1. 「ボタンに名前がない」ーー 認知症をプレイする革新性

    本作は、認知症を患う女性・ソフィアの視点で進行する約1時間のポイント&クリック型ビジュアルノベルだ。講談社ゲームクリエイターズラボがパブリッシングを務めている。

    • 混沌のシミュレーション: 朝起きて顔を洗い、歯を磨く。そんな当たり前の行動が、本作では「ラベルのないボタン」として提示される。どのボタンがどの行動に対応しているのか、プレイヤーはソフィアと共に戸惑い、失敗を繰り返すことになる。
    • もどかしさの共有: この「思うように動かせない」もどかしさこそが、認知症患者が日常的に感じている混乱と恐怖をプレイヤーに直接伝達する。説明文ではなく、**「ゲームプレイそのものが物語を語る」**手法が、審査員たちに衝撃を与えた。
    • 物語の核心: 目の前にいる「見知らぬ男」が、実は自分を支え続けてきた夫・ロジャーだったと気づく瞬間ーー。ゲームは聖書の「愛こそが最高である」という一節を引用し、記憶を失ってもなお消えない愛の本質を問いかける。

    ■ 2. 1人開発者 Yona氏の執念と「Florence」への敬意

    開発を手掛けるのは、日本人クリエイターの **Yona(ヨナ)**氏だ。 Yona氏は「単なるビジュアルノベル以上のものを作りたかった」と語る。

    • ミニマリズムの美学: Adobe Illustratorで描かれたシンプルで可愛らしいビジュアルは、物語の重さと対照的に、プレイヤーの心にスッと入り込む。
    • 音の演出: 最優秀オーディオ賞を受賞した通り、本作のサウンドデザインは秀逸だ。心地よい音楽が突如として不快な騒音へと変わり、ソフィアの精神的な混乱を耳からも体験させる。
    • 影響を受けた作品: Yona氏は、ゲームを通じたストーリーテリングの極致として名作『Florence』を挙げており、本作でもその「触覚的な親密さ」が色濃く反映されている。

    ■ 3. 受賞歴とメディア評価

    本作は発売以来、世界中の主要なアワードでその名を轟かせています。

    アワード / メディア受賞・評価内容
    Taipei Game Show 2026大賞 (Grand Prix) / 最優秀オーディオ賞
    Tokyo Game Show 2025 SOWN観客賞大賞 / 最優秀アート賞 / 最優秀プレゼン賞
    英国 BAFTAGame Beyond Entertainment 部門ノミネート
    Kotaku「60分の体験がどれほど特別か、言葉では言い尽くせない」
    Game Informer「ビデオゲームのストーリーテリングの強さを示す強力な事例」

    ■ 4. 専門家の視点:インディーゲームが持つ「選択と集中」の勝利

    嘉泉大学のチョン・ムシク教授は、本作を「1人開発者が目指すべき最も明確な模範事例」と評しています。

    「1人開発はリソースが限られているからこそ、本作のように『選択と集中』が必要です。認知症という重いテーマを、あえて説明を省いたゲームプレイで表現した独創的なアプローチは、メジャータイトルをも凌駕する没入感を生み出しました。 教授はまた、1人開発を『飲食店のメニュー』に例え、**『コース料理(大作)を目指すのではなく、行列のできる”激辛ラーメン”や”焼き芋”のような、一点突破の特化型レシピで勝負すべきだ』**と助言しています。」

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    Jaechung Lim
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    インディゲームドットコム編集長, 1990年代に「デジタルライフ」および「ゼウメディア」でゲーム専門記者としてキャリアを開始。その後、複数のマーケティング代理店、開発会社、パブリッシャーを経て、バンダイナムコグループにおいて10年以上にわたり、IPを活用したオンラインゲームおよびモバイルゲームの開発ならびにグローバル事業を主導してきたゲーム業界の専門家である。 現在は、国内外のインディーゲームに関するコンサルティングおよびメンタリングを行うとともに、数多くのコンテストや政府支援事業の専門審査委員として活動している。また、Indiegame.com を通じて、健全なゲーム文化の醸成およびスタートアップならびにインディーゲームの発展に尽力している。

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