カナダのプログレッシブメタルバンド「Voivod(ヴォイヴォド)」の独創的な音楽とアートワーク、ディストピアSFの世界観をそのまま詰め込んだ公式ライセンスゲーム**『Voivod: The Nuclear Warrior(ヴォイヴォド:ザ・ニュークリア・ウォリアー)』**が、新たな体験版トレーラーを公開した。
本作は、核戦争後に時空や現実までもが崩壊した荒廃世界を舞台にした、ストーリー重視のラン&ガン・メトロイドヴァニアだ。Voivod特有の奇怪で唯一無二のSFビジュアルを、ざらついた質感のピクセルアートで再現し、バンドの強烈な音楽と、長年かけて築き上げてきた独自の世界観をゲームに密度高く溶け込ませている。
開発元のChaosmonger Studio(カオスモンガー・スタジオ)は、10月19日から開催される「Steam Next Fest」で、世界中のユーザーに向けた無料体験版を公開する予定だ。正式リリースは2027年初頭を目指して開発が進められている。
記憶を失った変異戦士「Voivod」の旅
ゲームの舞台は、核戦争後に現実そのものが崩壊し始めた未来だ。
プレイヤーは絶えず変異し続ける戦士「Voivod」となり、荒れ果てた大地、生体機械に覆われた悪夢のような空間、歪んだ次元を探索する。粉々に砕けた精神の中で、謎の存在「Nothingface(ナッシングフェイス)」の導きに従い、失われた記憶の断片を取り戻すことが目的だ。
旅の途中では、奇怪に変異した敵や正体不明の生命体が行く手を阻む。さまざまな武器や新たな能力を手に入れて戦い方を広げながら、強大なボスとも対峙しなければならない。
ゲームは、テンポの速いラン&ガンの戦闘を軸に、メトロイドヴァニア式の探索と、雰囲気を重視したストーリーテリングを組み合わせている。開発陣は、Voivodと緊密に協力し、バンドの音楽、神話、ビジュアルアイデンティティをゲーム世界に溶け込ませることに注力したと説明している。
ストーリーからボス戦まで——2つの遊び方を選べる体験版
今回のSteam Next Fest向け体験版では、プレイスタイルに応じて選べる2つのモードが用意されている。
「ストーリーパス(Story Path)」では、製品版の冒頭から約1時間分を順番に体験できる。物語、探索、世界観を中心に、ゲームのキャラクター、武器、能力に、本編に近い流れでひとつずつ触れていく形だ。
一方の「コンバットトライアル(Combat Trial)」は、アクションに焦点を当てたモードだ。最初からより多くの武器と能力を使うことができ、手強い敵との戦闘やボス戦を素早く体験できる。前者は世界と物語をじっくり味わうことに、後者は戦闘システムの核心をすぐに体感することに焦点を当てている。
開発陣は、2つのモードを通じて、ゲームの奇妙な雰囲気や物語だけでなく、スピーディな戦闘やグロテスクな敵デザインまで、それぞれ異なる形で見せていく計画だ。現在、戦闘システム、敵の挙動、ゲームバランスの調整を続けており、プレイテストで得たユーザーの意見も開発に反映しているという。
Voivodが自ら参加した初の公式ゲーム、クラウドファンディング成功の実績も
『Voivod: The Nuclear Warrior』は、Voivodを題材にした初の公式ビデオゲームという点でも意義深い作品だ。プロジェクトは、以前実施したKickstarterのクラウドファンディングで目標額の265%を達成し、制作の基盤を築いた。
以前公開された資料によると、バンドのメンバーもゲーム制作に参加している。ミシェル・”アウェイ”・ランジュヴァン(Michel ‘Away’ Langevin)氏はビジュアルデザインとアートワークに、ダニエル・”チューイ”・モングラン(Daniel ‘Chewy’ Mongrain)氏は音楽をゲーム向けに再構成する作業に携わった。
ボーカルのドゥニ・”スネイク”・ベランジェ(Denis ‘Snake’ Bélanger)氏はボイスアクトに、ベーシストのドミニク・”ロッキー”・ラロッシュ(Dominique ‘Rocky’ Laroche)氏はプレイテストに参加したことが知られている。
単にバンドの名前と音楽を借りたゲームではなく、Voivodが数十年にわたって築いてきた音楽、アートワーク、SF世界観を、ひとつのゲームへと拡張するプロジェクトに近いといえる。
Voivod特有のSF世界をピクセルアートで
1982年にカナダで結成されたVoivodは、プログレッシブメタル、スラッシュメタル、実験的な音楽を行き来しながら、独自の領域を築いてきたバンドだ。
変則的な楽曲構成に加え、核戦争、未来社会、テクノロジー文明、ディストピアSFを含むテーマを一貫して扱ってきた。特に、ミシェル・”アウェイ”・ランジュヴァン氏が生み出してきた独特のアートワークは、音楽とともにVoivodのアイデンティティを形づくる重要な要素とされている。
ゲームもこうした視覚的な特徴を積極的に活用している。荒々しく奇怪な形の生命体や生体機械、歪んだ空間を、手描きのようなピクセルアートで表現し、Voivodのアルバムアートワークが動き出したかのような雰囲気を作り出している。

映画・アニメーションの経験を活かすChaosmonger Studio
開発を手がけるChaosmonger Studioは、エストニアのタリンを拠点とする独立系ゲームスタジオだ。イタリア出身の映画監督兼ゲーム開発者ニコラ・ピオヴェザン(Nicola Piovesan)氏が設立し、映画、アニメーション、インタラクティブエンターテインメントの分野で培った経験をゲーム開発に活かしている。
代表作には、SFアドベンチャー『ENCODYA(エンコディア)』や、メトロイドヴァニア系アクションアドベンチャー『Clunky Hero(クランキー・ヒーロー)』などがある。
『Voivod: The Nuclear Warrior』は、2027年初頭の正式リリースを目指して開発中だ。
編集部コメント
バンドのライセンスゲームといえば、楽曲を流すリズムゲームや名前だけを借りたアクションを想像しがちだが、本作はメンバー自身がアートワーク、音楽の再構成、ボイス、プレイテストに関わり、40年以上かけて築かれた世界観そのものをメトロイドヴァニアとして再構築しようとしている点で、一線を画している。アウェイ氏の奇怪で緻密なアートワークを荒いピクセルアートに落とし込んだビジュアルは、アルバムジャケットの中を歩き回るような体験を約束するもので、往年のメタルファンにはたまらないだろう。
体験版を「ストーリーパス」と「コンバットトライアル」の2モードに分けた判断も、Voivodのファンとアクションゲームファンという異なる層の双方に配慮した賢い設計だ。Kickstarterで265%を集めた熱量と、『Clunky Hero』で培ったメトロイドヴァニア制作の経験が、2027年初頭の製品版でどう結実するか注目したい。現時点で日本語対応は未発表だが、Steam Next Fest期間中にまずは無料体験版で、核戦争後の歪んだSF世界を体感してみてほしい。
「ボーイボード:ニュークリア・ウォーリア(Voivod:The Nuclear Warrior)」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | カオスモンガースタジオ(Chaosmonger Studio) |
| パブリッシャー | 確認必要(以前資料にはカオスモンガースタジオが開発・パブリッシングを兼ねるものと表記) |
| ジャンル | ラン&ガンメトロバニア、アクションアドベンチャー |
| プラットフォーム | PC(Windows、MacOS、Linux、Steam Deck)、ニンテンドースイッチ、PlayStation、Xbox(開発中) |
| 発売日 | 2027年初頭予定 |
| 体験版 | スチームネクストフェスト(10月19~26日)無料体験版、ストーリーパス・戦闘試練モード |
| 言語 | プレスリリースに言及せず、韓国語のサポートを確認する必要があります |
| 反応/評価 | キックスターター目標額265%達成(以前の報道基準) |
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