松竹株式会社のゲーム事業室(以下、松竹ゲームズ)は、フランスの開発社Ludogram(ルドグラム)が手がけたマルチプレイホラーアドベンチャーゲーム**『Invokyr: 魔のサイコロ(インヴォキア)』**を、10月8日17時(日本時間)にSteamで早期アクセス版としてリリースした。
『Invokyr』は、6月に世界のゲーマーに先行公開されたデモ版が100万ダウンロードを突破し、ホラーゲームファンの間で話題となっていた作品だ。
松竹ゲームズはリリースを記念して、10月22日まで期間限定の25%オフセールを実施しているほか、呪われたボードゲームの不気味な雰囲気をそのまま映し出した新たな公式トレーラーも公開した。
『Invokyr』は、1970年代のボードゲームを思わせる薄暗い屋敷が舞台だ。写実的なグラフィックではなく、様式化された3D環境と立体感のあるサウンドで緊張感を積み上げることに重点を置いている。
呪われた盤上で、ゲームマスターに立ち向かえ
『Invokyr』は、友人たちと一緒に超常的なボードゲームに閉じ込められ、絶えず変化する悪夢の中を生き延びる協力ホラーゲームだ。
プレイヤーは、屋敷を支配する正体不明の「ゲームマスター(Game Master)」が命を吹き込んだボードの上でゲームを始める。サイコロを振るたびに新たな危険や予測不能な出来事が起こり、ゴールにたどり着かなければ脱出を試みることはできない。
ゲームマスターの声は、『バルダーズ・ゲート3』『HADES II』などに出演した声優アメリア・タイラー(Amelia Tyler)氏が担当している。Steamページによると、最大6人でのオンラインプレイに対応し、シングルプレイも可能だ。音声は英語で提供される。
様式化された3Dグラフィックと方向性サウンドで生む緊張感
ゲームは1人称視点の3Dグラフィックを採用している。英国メディアScreen Hypeは、キャラクターモデルは比較的シンプルなものの、陰鬱な環境とボードごとにはっきり区別されたテーマが印象的だと評価した。
ジャングルのボードでは壁を這い上がるツタが、古代エジプトをテーマにしたボードでは砂ぼこりや流砂の穴が登場する。UIがすっきりしていて、動作スペックの負担も大きくない点も長所として挙げている。
サウンドは、緊張感を生む核となる要素だ。Screen Hypeは、建物がきしんだり崩れたりする音や周囲の環境音が、ヘッドホンで聴くと効果的だと評価している。
方向性オーディオによって、廊下を巡回する脅威の位置を推測することもできる。プレイヤーに化けた分身がチームメイトの声を真似したり、体を小さくする偶像を持つと声まで高くなったりする演出も登場する。突然驚かせるよりも、環境と音を活用して不安を積み重ねていくスタイルだ。
全体の雰囲気は、正統派ホラーにブラックコメディを加えたものに近い。Steamのタグにも、心理ホラー、ダーク、雰囲気重視、ダークコメディが並んでいる。Screen Hypeは、1995年の映画『ジュマンジ』を思わせる設定があちこちに盛り込まれており、ボードを終えるにはゲームの名前を叫ばなければならない仕掛けもあると伝えている。
4つのテーマ、15種以上のモンスター、10種類以上のサイコロ
早期アクセス版には、幽霊屋敷、ジャングル、氷の山、砂漠の4つのテーマが収録されている。テーマごとに異なる環境と試練が待ち受け、プレイヤーは数々の超常的な脅威を乗り越えて、最終段階の「マスターボード」にたどり着かなければならない。
モンスターは15種以上、イベントは20種以上登場し、ルールや状況がランダムに変化するため、プレイするたびに展開が変わる。プレイヤーは、異なる効果を持つ10種類以上のサイコロや、特殊能力を与える呪われた偶像を活用できる。ただし、強力な効果の裏にはそれ相応のリスクが伴う。
フランスのインディースタジオLudogram、松竹ゲームズとタッグ
Ludogramは、4人のゲーム愛好家が共同設立したフランスのインディースタジオだ。リール(Lille)に本社を置き、現在約20人が在籍している。オリジナルストーリーをもとにしたゲームを制作しており、ストーリーテリングと選択型のプレイ体験に力を入れている。Steamページには、Ludogramと松竹が共同パブリッシャーとして登録されている。
開発チームは、早期アクセスのリリースはLudogramにとって非常に意義深い瞬間だと述べ、プレイヤーが友人と一緒にゲームマスターに挑み、呪われたボードに隠された秘密をひとつずつ解き明かしていく姿を楽しみにしていると語った。
Steamユーザーレビュー「非常に好評」——協力プレイに高評価
10月13日時点で、Steamのユーザーレビューは494件中94%が好評で、「非常に好評」を記録している。ゲーマーたちは『Phasmophobia』『Lethal Company』『R.E.P.O.』などの協力ホラーゲームを引き合いに出し、友人と一緒に次に何が起こるかわからない緊張感を楽しめると評価している。
デモとクローズドベータで約15時間プレイしたうえでおすすめするレビューもあり、『R.E.P.O.』と『ジュマンジ』を掛け合わせたような感覚だという声も寄せられた。一方で、ボイスのセリフが聞き取りにくいとして、字幕の強化を求めるユーザーも一部見られた。
メディアの反応もおおむね好意的だ。Screen Hypeは10点満点中8.5点をつけた。早期アクセス版でありながら大きな問題なく楽しめ、「もう1回だけ」と遊びたくなる魅力があるという評価だ。
一方で、一部の死亡が理不尽に感じられることや、人数が少ないと難易度が急激に上がる点は惜しい部分として挙げた。特にシングルプレイは、1回のミスでラウンド全体が終わることもあり難しく、参加人数が多いほど復活などで余裕が生まれ、協力の面白さが増すと付け加えている。
早期アクセスは約1年、コンテンツ追加に応じて価格を段階的に引き上げ予定
ゲームの価格は12.99ドルで、リリース記念セール価格は9.74ドル。セールは10月22日まで実施される。開発チームは、コンテンツや機能を追加するたびに価格を段階的に引き上げる計画だと明かしている。
早期アクセス期間は約1年を見込んでいる。この間、新たなテーマ、モンスター、イベント、アイテム、機能などを定期的に追加していく予定だった。
正式版では、ボード、テーマ、モンスター、イベント、サイコロ、呪われたルール、アイテム、アップグレードなどを大幅に増やし、『Invokyr』とゲームマスターをめぐる物語も拡張する計画だ。ただし、開発スケジュールは進捗状況やユーザーのフィードバックによって変わる可能性があるとしている。
編集部コメント
「呪われたボードゲームに閉じ込められる」という『ジュマンジ』的な設定に、サイコロを振るたびにルールや状況が変わるランダム性を組み合わせたことで、協力ホラーに「すごろく」ならではの予測不能な盛り上がりを持ち込んでいる。分身が仲間の声を真似る、偶像を持つと声が高くなるといった、音とボイスチャットを活かした演出は、配信や友人同士のプレイで笑いと悲鳴を同時に生む設計で、『R.E.P.O.』や『Lethal Company』に続く協力ホラーの流れにうまく乗った作品といえる。
日本の松竹がフランスのインディースタジオと組んで共同パブリッシングを手がけている点も、日本のエンタメ企業がグローバルインディーへ関与を広げる動きとして注目に値する。一方で、少人数やソロでは難易度が急上昇するという指摘もあるため、なるべく多人数で遊ぶのがおすすめだ。コンテンツ追加に伴って価格が段階的に上がる予定のため、気になる人は10月22日までのセール期間中に仲間を誘って始めてみるとよいだろう。
「インボキア:魔のサイコロ(Invokyr)」関連情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | Ludogram (フランス) |
| パブリッシャー | Ludogram, 松竹ゲームズ(Shochiku) |
| ジャンル | マルチプレイホラーアドベンチャー、協同サバイバルホラー |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 発売日 | 2026年10月8日(先にしてみる) |
| 言語 | 韓国語インターフェースサポートなど13言語(英語音声・字幕) |
| 反応/評価 | スチーム「非常に肯定的」(494のうち94%)、スクリーンハイプ8.5/10、デモダウンロード100万件突破 |
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