サウジアラビア・ジッダ(Jeddah)を拠点とするインディーゲーム開発社OFF BOX Studios(オフボックス・スタジオ)が、2人協力の物理ベースプラットフォーマー新作**『FLING UP TOGETHER(フリング・アップ・トゥギャザー)』**の新たなゲームプレイトレーラーを10月6日に公開した。あわせてSteamで無料デモ版を配信し、本格的なユーザー獲得に乗り出している。
『FLING UP TOGETHER』は、2人のプレイヤーが1本のロープを頼りに、浮遊島や空中に浮かぶ廃墟、巨大な橋でつながった縦方向の広大な世界を探索するゲームだ。1人では先に進めない構造で設計されており、1人のミスや落下がチーム全体の進行状況を巻き戻す、独特の連帯責任システムが特徴となっている。
特に本作は、ロープを単なる連結手段にとどめず、能動的な移動ツールとして再解釈した点が目を引く。プレイヤーはロープを引いてパートナーを遠くの足場へ投げ飛ばしたり、落下する仲間を劇的につかんで救出したりと、多彩なインタラクションを繰り広げられる。
さらに、鮮やかな色彩の3Dグラフィックと、思わぬ動きを生み出すラグドール物理演算が加わり、頻繁な失敗や予想外のミスさえ愉快な笑いに変える、ユニークな協力プレイを実現している。
ロープで投げて救い出せ——ミスさえ愉快な協力アクション
『FLING UP TOGETHER』の中核システムは、ロープを使った「投げ」のメカニクスだ。プレイヤーはロープを引いてパートナーを遠く離れた足場へ飛ばしたり、落下する相手をつかんで危機から救ったりできる。
2人のプレイヤーはどちらもロープを引けるため、瞬間的な判断と息の合った連携が重要になる。緻密な協力でピンチを乗り越えることもできるが、1回の誤操作が2人そろっての落下につながることもある。協力が成功と失敗の両方を左右する構造だ。
開発社関係者のアンマール(Ammar)氏は、「自動的には進められない協力ゲーム」を作りたかったと明かしている。ロープでつながった2人のプレイヤーが単に並んで動くだけでなく、互いの行動と生存に絶えず影響を与え合うよう設計したという。
開発社は、個別のチェックポイントを設けず、1人の落下がチーム全体の進行に影響する方式も強調している。リアルタイムでコミュニケーションを取り、助け合わなければならない状況が続くことで、緊張感と協力の達成感を同時に味わえるという。
色の異なる足場——息が合わなければ道連れで落下
「色」を活用したユニークな地形構造も、協力の面白さを倍増させる。プレイヤーは、自分のキャラクターの色と一致する足場にしか乗れないという制限がある。そのため、1人が先に移動して安全なルートを確保した後、ロープを使ってもう1人を反対側へ引き寄せるといった、有機的な連携プレイが欠かせない。
この過程では、2人に緻密なタイミングと緊密なチームワークが求められる。完璧な呼吸で遠く離れた足場を突破する達成感を味わえる一方、どちらか一方のささいなミスがチーム全体を落下という惨事に導くこともある。こうした予測不能な変数が、毎回のセッションで新たな状況を生み出し、独創的な没入感をもたらす。
Steamページによると、今回の無料デモでは、ロープ投げや登攀といったゲームの中核メカニクスをはじめ、オンライン2人協力プレイと1つの縦型ステージを体験できる。ただし、設定メニュー全体や一部のHUD(画面上の情報表示)要素などは開発中のため、今回のデモには含まれていない。
サウジ新興チームのデビュー作——NEOMアクセラレーター選出で注目
OFF BOX Studiosは小規模な独立系開発社で、今回発表された『FLING UP TOGETHER』が公式デビュー作となる。開発社は最近、サウジアラビアの巨大プロジェクトであるスマート未来都市「NEOM(ネオム)」が主催するゲーム開発アクセラレータープログラム「Level Up(レベルアップ)」に最終選出されたと発表し、世界のインディーゲーム市場から注目を集めた。
実際に同スタジオは、インディーゲームプラットフォームitch.ioで、似たメカニクスを持つ協力パズルプラットフォーマー『Fling Friends(フリング・フレンズ)』を開発し、着実に経験を積んできたことが確認されている。初期から「ロープを使った協力プレイ」という独創的なコンセプトに注力してきた開発社の明確な哲学と方向性が、今回の新作にそのまま受け継がれた形だ。
海外メディアも混沌の協力プレイに注目
海外ゲームメディアCOGconnectedは、『FLING UP TOGETHER』がプラットフォームアクションに、チームワーク、タイミング、信頼を試す混沌とした協力プレイを組み合わせていると紹介した。無料デモが公開されたことから、友人と楽しむ協力ゲームを好むゲーマーなら注目に値する作品だと評価している。
ロープで2人のプレイヤーがつながった状態で移動する仕組みは、人気の協力ゲーム『Fling to the Finish(フリング・トゥ・ザ・フィニッシュ)』などにも見られるコンセプトだ。しかし『FLING UP TOGETHER』は、ロープを使ったダイナミックな投擲と劇的な救出メカニクス、そしてキャラクターの色に合わせた足場ギミックなど、より発展したインタラクション要素を導入し、差別化を打ち出している。
『FLING UP TOGETHER』はPC(Steam)でのリリースを目指して開発中で、具体的な正式リリース日は今後発表される予定だ。
編集部コメント
ロープでつながった2人協力というコンセプト自体は先行例があるものの、本作は「投げる」「救う」という能動的な操作をロープに持たせ、さらに「自分の色の足場にしか乗れない」という制約を加えることで、相手に頼らざるを得ない状況を意図的に作り出している。個別チェックポイントを廃した連帯責任システムも含め、「自動的には進めない協力ゲーム」という開発者の狙いが、ルール設計の隅々に一貫している。
ラグドール物理による失敗の可笑しさは、配信や友人同士のプレイで盛り上がる要素であり、『Peak』のような協力登山系や、パーティー系協力ゲームの人気の流れにも乗りやすい。サウジアラビアのNEOM主催アクセラレーターに選ばれた点も、中東発インディーの台頭を示す動きとして注目したい。デモでは設定メニューや一部HUDが未実装だが、友人と2人で遊べる環境があれば、まずは1ステージを試してみるとよいだろう。
「フリングアップトゥゲザー(FLING UP TOGETHER)」に関する情報
| アイテム | 内容 |
|---|---|
| 開発会社 | オフボックススタジオ(OFF BOX Studios) |
| パブリッシャー | オフボックススタジオ(OFF BOX Studios) |
| ジャンル | 協働フィジックスプラットフォーマー |
| プラットフォーム | PC(スチーム) |
| 発売日 | 未定(スチーム発売予定) |
| 体験版 | スチームフリーデモ提供(2人オンライン協同) |
| 反応/評価 | 海外メディア紹介記事確認、スチーム利用者評価未確認 |
| スチームページ | ショートカット |








