韓国最大規模の縦断研究『2020-2024 ゲーム利用者研究解説書』が公開…「過没入」は一時的な現象に過ぎず
[ゲーム文化特集] ゲーム利用時間が長いからといって過没(中毒)や病気につながるわけではないという研究結果が出た。また、ゲーム過没状態はほとんど一時的な現象で、外部介入なしでも自然に回復することが明らかになった。
2020年から2024年まで5年間行われた『ゲーム利用者研究』は、全国の児童・青少年と成人、親を対象にゲーム利用習慣の変化を追跡観察した国内最大規模の終端研究だ。今回の研究は、同じ対象を長期間繰り返し観察するパネル研究と、fMRI(磁気共鳴映像)脳撮影を活用した臨床医学コホート研究を並行して実証的データを確保した。
■ 5年間の追跡で見えた真実:慢性的な中毒者は「ゼロ」
今回の研究の最大の特徴は、同じ対象者を5年間観察し続けた点にある。その結果、一時的に「過没入群(中毒が疑われるグループ)」に分類された利用者であっても、外部の医療的介入なしに、時間の経過とともに大部分が正常な利用状態へと回復した。
驚くべきことに、調査期間である5年間ずっと過没入状態を維持したケースは一人もいなかった。 これは、ゲーム障害を「慢性的な疾患」と定義しようとするこれまでの議論に対し、強力な反論となるデータである。
[Image showing a bar chart of game user status over 5 years, highlighting the fluidity of the ‘over-indulgence’ group compared to stable ‘general user’ groups]
■ fMRI(磁気共鳴画像)分析:脳への悪影響は見られず
これまで一部で主張されてきた「ゲームによる脳の損傷」についても、医学的な検証が行われた。最新のfMRI技術を用いた分析の結果、ゲーム利用によって脳の構造が変質したり、機能が損なわれたりする現象は観察されなかった。研究陣は「ゲームと脳機能損傷の間の直接的な因果関係は見つからなかった」と明言している。
■ 本当の原因はゲームではなく「心理」と「環境」
研究では、過没入の真の原因がゲームそのものではなく、利用者の心理的特性や家庭環境にあることを突き止めた。
- 心理的要因: ADHD(注意欠如・多動症)やうつ病など、既存の心理的課題を抱えている場合に過没入のリスクが高まる。
- 環境的要因: 親子関係が良好でコミュニケーションが活発な家庭では、プレイ時間に関係なく過没入に陥るリスクが極めて低かった。
■ 規制よりも「自律」と「対話」を
今回の結果を受け、研究陣はゲームを「治療すべき病気」として見る「病理的フレーム」から脱却し、健康的な文化として捉える「文化的フレーム」への転換を訴えている。
一律の時間制限のような規制よりも、利用者が自らコントロールできる自律的な環境を整え、家族間の対話を増やすことこそが、最も効果的な解決策であると結論づけた。
■ 政策への影響:WHO疾病コードへの議論に一石
専門家たちは、今回の科学的根拠に基づくデータが、WHO(世界保健機関)によるゲーム障害(Gaming Disorder)の疾病コード導入や、現行のゲーム規制政策を再検討する重要な指針になると見ている。
2020~2024 ゲーム利用者研究解説書_KOR_.pdf

